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きらりと KIRARITO 夏号

きらりと KIRARITO 夏号表

きらりと KIRARITO 夏号裏

前回のきらりとのテーマ「菌のリレー」はいかがでしたでしょうか。
「腸内細菌のエサとなる食品を摂ることで、腸内細菌に短鎖脂肪酸を産生させる」ことを目的とした「菌のリレー」を意識して、自分に合った食物繊維や善玉菌、短鎖脂肪酸産生菌にとって重要なビタミンB1を摂取し、整腸、便通改善、免疫調整といった私たちの健康に有益な働きをしてくれる「短鎖脂肪酸」を作る環境づくりの一助となれましたら、嬉しく思います。
さて、今回は腸内環境シリーズ第8弾「その疲労感、腸内環境の乱れが原因かも~腸と疲労の意外な関係~」です。
加齢と共に悩む方も増えていく、疲労感と腸の意外な関係についてお話をさせていただきます。ぜひご一読ください。


その疲労、腸内環境の乱れが原因かも~疲労と腸内環境の意外な関係~


影響しあう疲労とストレスと腸

疲労とストレスは密接に関連し、互いに影響を与え合うといわれております。
ストレスによる心の状態の悪化は体の免疫やホルモンの分泌などに影響を与えます。
そのため、生活や仕事でストレスを抱えて気分が落ち込んでしまったときには、体はとても疲れやすくなるといわれています。
また、精神的なストレスや自律神経バランスの乱れなどによって、腸に異常がないのに便秘や下痢などを慢性的に繰り返してしまう疾患「過敏性腸症候群(IBS)」も存在していることから、疲労とストレスと腸は相互に影響しあう関係であると考えられております。


ストレス軽減に必要なものは睡眠

夜遅くまで働き、睡眠時間が減っていると、脳にダメージが蓄積してしまいます。
通常は睡眠をきちんと取ることで、日中に高ぶった交感神経系を休めることができますが、働き過ぎて体のリズムが崩れてしまうとうまく眠ることができなくなり、睡眠の質が下がってしまいます。こうした状況が続くと、自分の力だけでは回復できない慢性的な疲労状態になってしまいます。
また、睡眠不足は腸内細菌のバランスを乱す可能性があります。腸内環境が悪化すると、睡眠の質も低下しやすくなり、疲労が回復しにくくなりますが、逆に良い腸内環境であれば、睡眠の質が高まり、疲労回復へと繋がっていきます。


免疫力低下と疲労

免疫力が低下すると、免疫によって抑えられていたウイルスや細菌がここぞとばかりに体内で活発になります。このウイルスや細菌に対応しようと体は頑張って対応物質を出しますが、その物質がさらに脳に疲労感を伝えてしまうのです。このように免疫力低下は疲労感増加の原因となりえます。
そこで、腸内環境を良くすることが重要となってきます。腸にはヒトの免疫を担う免疫細胞の7割が存在しており、いわば「免疫の中心」ともいえる臓器です。
つまり、「腸内環境」を整えることで、「疲労」の原因となりうる「免疫力低下」をケアすることができ、「疲労」が蓄積されにくくなるのです。


疲労予防のために取り組みたいこと

まずは、ストレス軽減のために、仕事の時間、内容、量を見直し、回復のための睡眠をきちんと確保することが大切です。
そして、腸内環境をケアして日常の疲労を軽減させていきましょう。
乳酸菌などの善玉菌(プロバイオティクス)を摂取することで、酸化ストレスが減少し、腸の炎症が収まったという研究も発表されています。
腸内環境をバランスよく保つためにも、発酵食品や食物繊維などを上手に取り入れて、健康的な毎日を送りましょう。

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